適度な間隔の木立。
枝葉の重なり具合が絶妙な、僕の大好きな場所。
去年のこの日、この場所で偶然知り合った1家族から輪が広がり
共にキャンプを楽しんで来た。
そしてこの日が我が家にとって、関東で皆に森で逢える最後の日となったのは
ただの偶然からだろうか。

朝から降り続いていた雨も現地に着く頃にはすっかりあがった。
車から降りると、ズンッと足が沈む感覚。
僕がこの場所を好きな理由は、適度な木立とそこから降り注ぐ木漏れ日も然ることながら、
枝葉が堆積したふかふかの大地である。
一歩踏み出す度に沈む大地からは森の匂いが発せられるようで、
こんな場所ではチェアなど使わず、地面に座って森と一体となる感覚が
僕の中の野生を呼び覚ます。
次第に全身の余計な力が抜けて、心がニュートラルにリセットされる。
都会での日常生活でなんとか自分をこの状態にしようと試みたが、
どうやらこの環境でなければ駄目なようだ。
久々に広げるムーンライト7を設営し終える。
しっとりと程よく湿った森の空気が身体に心地よい。
誰かが作った、ここならではの溶岩石のファイヤーピットを拝借し、
ビール片手に火を囲む。

2本目のビールを空け、ひととおり火にちょっかいを出した後、話の輪からちょっと外れる。
遠目から火を囲んだ皆を眺めるのが好きだ。

最終組みが到着し、改めて、一周年とバースデイガールと我が家の移住に乾杯。
4家族、11名とワンコ3匹。
この先も、今と変わらず至福の時を共有していけたら、と湿った気持ちが
僕の中で頭をもたげた。
太陽が傾き、森に夜の気配が下りてくる。
ポツリポツリとランタンの温かい光が灯り始め、
それぞれのキッチンからはいい匂いが漂い始める。
数日前に、夜のメニューは何にしようかとカミさんと悩み、キッチンの棚に刺さっていた
アウトドア料理の本をパラパラめくって、パエリアに決めていた。
屋外で食べるパエリアはなかなかの味だ。
みんなで持ち寄りディナータイムへ。
火を囲んで、飯を喰って、酒を呑む。
赤い光りに照らされた仲間達の表情。
これ以上のものは無い。

7時にゆっくりと起床。
昨夜は、子供の寝かしつけに夫婦揃ってテントへ潜り込み
不覚にもそのまま寝入ってしまった。
ジッパーを開けた窓から差し込む光りが、ゆっくりと身体を目覚めさせる。

仲間の個性的なテント達。



それぞれが思い思いの場所で森の時間を堪能する。
集いたいと思えば集えばいいし、自分の時間に没頭したければそうすればいい。
温かな仲間達のいるこの空間で、僕の心は開放された。
数々の楽しい思い出をありがとう。
またいつか、どこかの森で再会しよう!
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
- 2012/10/11(木) 15:50:43|
- Camping
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| コメント:2
すばらしい夜を過ごされたのですネ。
場所も重要ですがやはり一緒に夜を過ごす仲間、そして焚き火ですよね。
キャンプでパエリアかぁ、旨そうだ。
屋外で食べたら3割り増しですよね。
- 2012/10/12(金) 17:02:34 |
- URL |
- いわなたろう #-
- [ 編集]
良い仲間に焚き火に酒。
基本的にソロが好きだった僕ですが、
こうしてフィールドで出逢った仲間とワイワイやるのも
最高だなぁと、新たな愉しみを教えてもらいました。
パエリア鍋買おうかなぁ(笑)
- 2012/10/19(金) 09:09:41 |
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- SKY #LkZag.iM
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