学生時代に何か自分だけのものを作りたくて、色々と試みたことがある。
環境が整わないとなかなか次へと進めない性格で、この時も何か物を作るにあたり
まずは自分の理想とする作業空間とは何かを考えた。
効率的にというよりも、雰囲気を重視した。
様々な作業部屋を想像する時間はとても楽しかった。
頭の中の世界だから際限がない。
それらの空間に自分を置いてみると、自ずと方向性が見えてきた。
アレもしたい、コレもしたいと考えて結果たどり着いたのは、
背伸びしないで、自分にとって自然であるかどうか。
この時に自分の考え方が定まった気がする。
これは現在まで変わっておらず、物事を決める時の基準となっている。
この核が出来ると、その後あまりぶれる事無く物事は進んでいった。
600×1200の天板を3枚買って、いすの高さに合わせて脚を作った。
歪んだらL時金具で強引に固定し、ガタがあれば、あっちを削り、こっちを削りして
何故か勢いでやったにも関わらず、ほぼ均等の作業台が3つ出来た。
一つはPC用、一つはミシン用、もう一つは作業台。
動線を考えながら何度もレイアウト繰り返し、作業台のレイアウトが決まると
それに合わせて照明を取り付けた。
複数の作業を同時進行するには、その3台だけでは足りず、キッチンをつぶして天板を渡した。
いつでもスペースを作れるように、火を使う時はカセットコンロ、シンク部分は板を
切り離し、いつでも取り外せるようにした。
ここまでやるのに2ヶ月を要した。
今でも、この性格が嫌になる時がある。
やりたい事の為に、それには直ぐには手をつけられず。
かといって無理にやろうとすると、気になってしょうがないので
結局、中途半端な思いのままでやった物は、中途半端な気持ちで萎み消え去る。
この記事を書いていて思い出した事がある。
小学生の頃、初めて自分の部屋をもらって、頻繁に模様替えをしていた。
ふと思い立ったら、夜中でもかまわず取りかかり、よく親に、またやってるのかと
あきれられた。
幼いながらに、どうやったら自分にとって快適な空間が作れるのか試していたのだと思う。
そうやって、それは高校を卒業して実家を離れた後も変わらなかった。
ひとまず満足した環境を拠点に制作活動を始めた。
制作活動と書くと大層なことに聞こえてしまう。所詮まねごとだったのだが。
日暮里の生地問屋街に行って、服の作り方の本と生地を買ってシャツを作った。
既成の型紙で作ったシャツは不格好で、手持ちのシャツをばらして、そこから型紙をおこして
生地を変えながら数着作った。
満足だった。試着してはハンガーにかけて眺めて、自分で物を作る充実感と愉しみを知った。
故郷の古着屋の店主が作った革のベストを見て触発され
革屋で半頭分の牛革を買って、ジャケットを作った。
全部手縫いして、背にはクロス型を抜き、裏からワニ革をあてて縫い付けた。
布と違ってマチ留めが出来ないのと、切りっぱなしでもほつれない、
革であるということからボンドも多用した。
結構、金がかかっているにも関わらず、知識も作業もいい加減だったが
革のジャケットを作ったという事で、満足感を得た。
デニムジャケットの上に羽織って、バイクに乗った。
それは今でも実家に置いてある。
たまに袖を通してみるが、我ながら、よくやったなぁと思う。
完成度の事ではない。
その、やる気だ。
今はどうだろう。
自作しない期間が永くなればなるほど、この性格だから
何かを作りたいと思って想像しても、その制作手順から入り、それで
頭がいっぱいになり、過去の経験を含む知識で解決出来ないと
そこでスタックしてしまう。そして、そのちょっと熱い思いは
簡単に消えてしまう。
手が動かない。
この事が近年の僕のモヤモヤ。
今、部屋には、去年の年末に思い切って買ったレザークラフトのハンドソーイングキットがある。
ハンドクラフト展から得た刺激を、次へとつなげたい。
- 関連記事
-
テーマ:DIY - ジャンル:趣味・実用
- 2011/02/15(火) 23:55:55|
- Other stuff
-
| トラックバック:0
-
| コメント:4
モノつくりの人っているんですよね。
僕はものすごく苦手です、ミノープラグを作るのとかフライを巻くのとかロッドビルディングとかリールの部品を作るとか何でも一通りはやってみたんですが・・・ものになっていません(笑)
だから作れる人を見ると、嫉妬心とか羨ましさで一杯になってしまいます。本来は作る事、考える事、好きなはずなのに、せっかちで塗料や接着剤の乾燥が待てない性格と、ズンズンとのめり込む情熱が無いという虚しさ。
きっと僕はモノつくりの人では無いのです。
- 2011/02/18(金) 00:32:49 |
- URL |
- Megaceryle lugub #JalddpaA
- [ 編集]
レザークラフト、いいですよね。
手を出さないようにしようと心に決めていますが(笑)
ヌメ革、コンチョつきの二つ折り財布など、
店で見るたびに色が変わるほど使ったらカッコいいだろうなぁ、と思っています。
ヌメ革でランドセルを作っている工房があるようです。
SKYさん、最終目標をランドセルにして入学までに作ってお子さまにプレゼントされては?
- 2011/02/18(金) 09:17:57 |
- URL |
- いわなたろう #-
- [ 編集]
Megaceryle lugubさん、おはようございます。
私もせっかちで、面倒くさがりなのですが、
スイッチが入ると、一定期間だけはモチベーションを維持出来るみたいです。
コツコツとやっていけるタイプではないので、私も物作りには向いてないと
気づいているのですが、それをだましだまし、やってます(笑)。
ロッドビルディング、楽しそうですね。
いつかは挑戦してみようと思います。
- 2011/02/20(日) 09:58:01 |
- URL |
- SKY #-
- [ 編集]
いわなたろうさん、おはようございます。
ヌメ革のランドセルですか。渋いですね。
コードバンの赤、黒で育ったので、ランドセルと言えば
そのイメージしかありませんでしたが。
ランドセル、かなりハードル高いですね、、、
コレぐらい出来るようになったら、工房が持てそうですね。
- 2011/02/20(日) 10:07:03 |
- URL |
- SKY #-
- [ 編集]