東京では連日に及ぶ熱帯夜。
なにやら連続熱帯夜の記録は94年の47日間らしく、
今年はその記録を更新するであろうと予測されている。
そんな記録的な熱帯夜のなか、毎晩、暑い暑いとうだりながら
ハイボール、アイスに一時の涼を求めて、コンピューターの前に座る。
次の釣行は何処がいいだろうか。
高地で標高1,500M、日中の平均温度は26度。
この時期、鱒にも人間にも優しい環境、
湯ノ湖に決める。
湯ノ湖は以前に一度訪れたことがあり、自身のブログを辿ってみると、ちょうど一年前。
数える程度にヒットはあり、最後に強烈な引きの魚をかけたが
釣り上げることなく悔しい思いで釣場を後にしたのを思い出す。
今回はそのリベンジも兼ねての釣行となる。
湯ノ湖のウェブサイトで手に入る、湖の地形図/等高線をもとに
ここ数週間の釣果情報と照らし合わせながら作戦を練る。
ここにはニジマス、カワマス、ヒメマス、ホンマスが生息している。
なかでもヒメマスの婚姻色のはっきりと出た、せっぱりの
厳つい顔をした一枚の写真に釘付けになり、夢を抱く。
部屋で手持ちの
ルアーを一面に広げ、各場所で使用するものを選択していく。
これも
釣りのうち、楽しい時間である。
朝7時の
ボートに間に合うよう、友人をピックアップし都内を出る。
朝焼けのなか順調に高速を飛ばし、インターを下りていろは坂を登る。
中禅寺湖まで来ると次第に硫黄の匂いが車内に入り込み
前回の釣行の記憶が蘇って来た。
観光客と
釣り客で一杯の駐車場の残り僅かなスペースに車を停め、
管理室で
釣り券を購入し、状況を聞く。
すでにネットで情報は把握しているが、現地ならではの情報がないかと
期待するも、それ以上のものは得られなかった。
ボートに乗り込み、いよいよ開始。
いくつか選んだポイントを巡りながら探って行く。
山々に囲まれた湖をゆったり
ボートで漂うのは最高に気分がいい。
東京の地獄の様な暑さから離れ、木々の、水の匂いを胸いっぱい堪能する。
既に
ボートは流れ出し付近まで来た。
表層から順にカウントをとって探り、巻いてフォールでやっと掛かる。
緩めのドラグが小気味よく鳴り、小型ながらも本日一尾目の引きに頬が緩む。

その後、間を空けずに友人にもヒット。

これで互いにリベンジを果たし、プレッシャーから開放される。
ゆっくりと他のポイントを巡りながらと思っていた矢先に、激しい雨。
一瞬のうちに視界は白く煙り、近くの岸へ退避を余儀なくされる。
木陰で様子を見るが止む気配はなく、小雨になったところで一気に
レストハウスへと戻って昼食をとることにした。
ガラス越しの雨は一向に止む気配は無く、それどころか次第に激しくなっていく。
レストハウス横の小さな流れ込みは、集中的な豪雨に堪えきれず
あちこちから雨水が噴水のように沸き出している。
ここで3時間程の足止めをくらうこととなる。
その間、ぼーっと湖を眺めたり、放流車が来て放流するのを見学し、
それに伴って、豪雨の中、
釣り人達が走って放流地点に集まり
一斉にキャストし、最初の10分ほどはどの竿も良く曲がったのを
同じ
釣り人であるにも関わらず、観光客のように眺めたり。
係留してある船は、見る見るうちに雨水が溜まり、遂には
3~4人の船屋のおじさんがウェーダー、カッパに着替えて
忙しく船底の栓を抜いていく。
湖の水かさが増したせいで、なかには船が勝手に沖に出てしまうのもあり、
おじさんが船に立ったまま、一本の櫂を右に2回、左に2回ずつして漕いで
離れた船に辿り着き、ロープを結わえて牽引し戻って来た。
雷鳴が轟き、雨脚が弱まることはない。
ひと仕事終えたさっきのおじさん達がデッキで一服しているところに
声をかけ、凄い雨だとか、こういう状況での魚の活性を聞き出したり、
雷は恐ろしいだのの会話をしながらその時を待つ。
会話の中で、雷の話に驚いたのが、雷は水にも落ちるということ。
そしてその雷は凄まじい早さと破壊力で、水面を横へと走っていくらしい。
そりゃぁ、恐ろしいもんだ、と何回もその話を聞いていると
次第に雨は弱まり、雷も少しずつ遠退いて行った。
ボクらはおっかなびっくりしながら、レスト前の陸から釣りを試みる。
僅かな
ボートの間から
ルアーを投げる。
あの豪雨がどう湖に変化をもらたすのだろうか?
軽めのスプーンを可能な限り遠投し、沈め、手前の藻の上をゆっくりひいてくる。
ここから狙える範囲はそれだけ。
藻につい居ているかもしれない魚を誘うように、時々、強引に藻を引きちぎりながら
やっていると、小さな反応。藻の重さなのか、魚の引きなのか。
ラインの先に目を凝すと、僅かに右に左にラインが揺れる。
掛かった、掛かったとゆっくり巻き上げると、水面から小振りで
茶色く、白い斑点の付いた魚が釣れた。
岩魚か?とも思ったがここに生息している魚を思い出し、どうやらカワマスである。
レスト前で釣っていた僕は、レストハウスで雨宿りしている観光客達にとって
景色以外の格好な見学物だったらしく、多くの視線を感じ、恥ずかしくて写真を撮れなかった
ことが悔やまれる。
この一尾で確信し、藻を攻めると、またまた小振りなニジマスが釣れた。
青空が顔をのぞかせ、残り少ない時間を
ボートに乗って釣りをする。
当初計画していた残りのポイントまでは時間を考えると無理だと判断し、
近場で攻める。


めぼしいタナをキープすべく、スプーンを巻いては浮き上がった分を
落として引いてくるを繰り返すと、ニジマス。ほどなくしてまたニジマスのバラシ。
いずれも今日のサイズだった。
友人はというと、この間に今日一番のサイズ、40センチほどを寄せてくるが
ネットの前でバラシ。悔やまれる一尾となり、終了の時間。

サイズには恵まれなかったが、ここでのリベンジ、考えて狙って釣れたという経験は
今後の釣行につながるものとなるはずだ。
東京に戻り、酒を呑みながら、あの時はこうだった、とか
こうしたらなんて、釣りの最後を楽しんだ。
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テーマ:ルアーフィッシング - ジャンル:趣味・実用
- 2010/08/30(月) 12:29:30|
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