マンションのエレベーターギリギリに収まったカヤックを車のルーフへと上げる。
キャリアへの固定と、前後にロープをタイダウンした。
車に旅道具を積載している姿を見るのは最高に気分が高揚するものだ。
僕は数年程前まで首都高の渋滞を抜けてその先、中央道や他のルートへと散り散りに
なって行く旅姿の車を後ろから眺めていた。
快適に高速を飛ばしていると、前方にカヤックを積んだ車が見えてきた。
追い越し車線に入りアクセルを踏む。
一瞬並走して、反射する窓ガラスの奥を確認して挨拶し、またアクセルを踏んだ。
先ほど追い越した今回の旅仲間、bassbum氏と共に目的地に下り立つ。
二人してその素晴らしい環境に開口一番、最高と。


小さなパドルが、この広大な水のわずかな一塊をかき回す。
ひと掻き、ふた掻き。
次第に船底にあたる水の振動が消え、沖へと静かに滑り出した。

所々で伸び伸びとラインを引き出す。

風裏の静かで透明な湖面の奥を覗き込むと、身の縮む様な深さに魚の群れが通り過ぎる。

一つのインレットへと漕ぎ進み、上陸した。
嘗てはここから更に下る流れは、今ではこの場所で湖へと姿を変える。

人の手が入ったことにより容易にはたどり着けない秘境、らしき場所。

ベースキャンプが見えてくると、ポツンとそこだけ人間味が感じられて、少しだけ温かさがあった。

焚き火はいつでも最高であるが、これまた上質なひと時。

青い空と青い水。

僕は早々に気分が上がり、缶を開けるが、さすがは釣り師。

お愉しみは、ほんの束の間。

僕も、旅姿、の仲間入り。
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- 2014/08/11(月) 16:57:41|
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今回で3年目となる故郷の友との釣り野営。
23Lのパックにジッパーが壊れそうな程、物を詰め込み、更には山へ上がる直前に
酒を買い込んだ。
いざ出発と、車から降りて装備を背負い込むと歩き出す前からよろめきそうになる。

暑さと重さで何度も小休止をとったが、僕が早々に音を上げて、予定の幕場よりもかなり下でとどまる事となった。

この至福のひと時のために、こいつらを大汗かいて運んで来たのだ。

流れに沿って涼風が駆け上がってくる。
木の香り、土の香り、水の香り。

ウェットスタイルで釣り上がる。
冷たい山の流れが体温を下げていくにつれ、釣り熱はヒートアップする。

小学生の頃、父親に買ってもらったヘラ竿のバット側を一本抜いた竿で毛針を撃っていく。

倒木を避け、岩を乗り越える度に現れる流れの変化を楽しむ。

流れを下る重み。
グラスの竿がしなやかにそれを受け止める。



風が谷を下り始めた。
幕場へと戻り、薪を集めて火をともす。

火の粉が谷の暗闇へと舞い上がり、ふとその先を見上げるとネオングリーンに煌めく点滅。
しばらく暗闇に目が慣れるのを待って、頭上に広がる漆黒の空間に目を見開くと、一面に飛び交う蛍であった。

ハンモックの下を吹き抜ける風で、何度か肌寒さに起こされながら一夜が明けた。

山の緑は今日も目に眩しくて美しい。

日本の山国の正しい夏の過ごし方。
今夏もありがとう。
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- 2014/08/10(日) 14:52:37|
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