
田舎の納屋の戸を引くと少し湿った空気と埃の匂い。
薄暗さに目が慣れると、鋤や鍬が整然と土壁に並んでいた。
使いこまれた道具達が何に使われるのかは分からなかったが、
ただ眺めているだけで満たされた気持ちになったのを思い出す。
あれは全て野良仕事の道具だった。
夏の暑い日に庭の一角に拓いたトウモロコシ畑で、
首元にタオルを巻き、麦わら帽子を被って野良仕事する祖父の姿が
やけに記憶に残っている。
昼頃になると、納屋のひさしの下に座っておにぎりを食べていた。
僕も何度か手伝いをして、一緒におにぎりを食べた。
僕の中で薄れて欲しくない大切な記憶である。
その記憶を繋ぐ為なのかは分からないが、最近はどうも
手仕事による日本の道具に心を動かされている。
スポンサーサイト
テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用
- 2013/11/02(土) 02:58:27|
- Other stuff
-
| トラックバック:0
-
| コメント:1