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5ive3hree

小さな冒険、大きな経験

休日を自然の中で過ごすことにどういう意味があるだろうか。

その後の文の展開もよく考えずに、このような冒頭を書き出してみて、
自分には、社会や人々の生活また自然の深い知識がある訳でもなく、
deleteキーをカタカタと押して消そうと思っていた。
メンドクサイ展開になりそうだし、確かな裏付けのある事柄を矛盾無く
書かなくてはなりそうだ。

しばらく、その冒頭を眺めて、自分にとってはどうだろうかと考えてみた。

自然は自分にとって身近な存在で、当たり前の環境だったと思い返す。
虫捕り、川遊び、キャンプ、スキー、自宅から見えた四季の山。
これらの原体験が今の自分の一部を形成しているのは確かだが、
もし僕が都会のまっただ中で育ったらどうだっただろう。

前よりも一つ難易度の高い区間を歩いてみた。
どれくらい行けるのだろう?と興味があった。

濡れている岩は滑って水に落ちるからな。とだけ伝えた。
誰も教えていないのに枝や棒を持つのは何故だろう。

僕は次男を抱っこしながら、自分が転ばないように気をつけて岩を越えていく。
ふと後ろを振り返ると、長男の目つきが変わっている事に気づいた。
今まで見せた事の無い野性的な鋭い眼光にビクリとした。
周りを観察し、これから飛び移る岩を目で追っている。
飛び越えられる距離なのか、滑らないだろうか、どうやって足を出すのか、色々と考えているのだろう。
長男の発する雰囲気は、我が子では無いようとさえ思える程で、そんな一面を見て
親父として嬉しく、男として頼もしく思えた。
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おっかなびっくり、時には大胆に、彼にとっての難所を通過して
僕の設定したゴールへ無事にたどり着いた。
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岩に腰を下ろして休憩。
次男と一緒になってお菓子を食べる表情はいつもの長男に戻っていた。
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僕は小滝の向こうが知りたくて岩へ足を掛け、伝って向こう側へたどり着いた。
親が言わなくても、自分から登り始める。
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その一部始終を見ていた長男は近くの岩に挑戦した。
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復路では、どうやら感覚がわかり自信がついたようだ。
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最後の徒渉で気が緩んだのか、目測を誤り遂に沈。
靴の中までびしょぬれとなった。
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普段、言葉だけではなかなか伝わらない意思疎通だが
自然はそれを容易にしてくれる。
僕も親として、人として成長しなければならない。
そんな事を感じさせてくれる、僕にとっての自然である。
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用

  1. 2013/02/28(木) 13:10:24|
  2. Outdoor
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冬の谷

三寒四温。
少しずつ日ものびて、最近は朝の車の窓ガラスもお湯のいらない日が続いているが
今年はなにやら大寒波の年らしく、日本の最高積雪では5メートルにまで達しているらしい。
我が家のある街でも、積もるにまでは至らないが一日のうちで何度か雪が舞い、積もるかなと
思えば、日が差してくる。
春が訪れる前に、まだまだ寒さ真っ只中の冬の谷へと足を向けた。

前回にここを訪れたのは紅葉真っ盛りの頃。
素晴らしい色彩の絨毯を踏みながらの谷歩きであったが、今はすっかりその彩度を落とし、
歩を進めるたびに擦れ合う落ち葉も冬の音である。
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乾いたピリッと冷たい谷に時折雪が舞い、最初のポイント近辺には雪が残る。
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地表に到達した水は木や岩を伝い、または、内部に浸透してまた外へと現れる。
そんな自然のサイクルの一部を目に見える形で教えてくれる自然のアート。
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去年の秋の終わり頃、目の前の浅いプールではカワムツたちが競うようにドライフライを
咥えたが今日はどうだろうか。
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冷たい水に沈めた水温計は3℃を示していた。
雪がちらついたかと思えば、時折、日が差し込み、そのほんの僅かな時間のみ冷えきった身体が緩む。
ひとまずドライフライで様子を探る。
少しでも動く物がないだろうかと水中に目を凝らすが、まるで生命感が感じられない。
もうここには居ないのだろうか。
図書館で借りてきたタイイング本とにらめっこしながら、初めて巻いたゴールドリブドヘアズイヤを結んだ。
マーカーが最初に着水したのち、先端のニンフが少し遅れて小さな波紋を作る。
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水面に寝ていたマーカーが小さく揺れて立ち上がった。
即座に左手でラインを引く。
カワムツにはオーバースペックのロッドが申し訳程度に穂先を曲げた。
「よっしゃ、よっしゃ、そう言う事か」と思わず声にでた。
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一人で谷へ入り、周りを観察したり、崖を上り下りしたりして感じる事や思う事は全て頭の中で
起こり、完結している。単独であるがため、情報を捕らえるセンサーは普段よりも敏感であり、
多くの事を思考する。その自分の中でのやり取りの作業のほとんどは声にしないものである。
一人だから当然と言えば当然なのだが、初めて自分の巻いたニンフに魚が出たときのような、
そんな感動の瞬間は自分の内から外へ思わず出るものだ。
発した自分と、自分の声に驚いたり、奇妙に感じたり。周りを見渡しても誰もいない。
一人、冬の静かな谷でぼそりと、または奇声を上げている自分を、まるで他人のように
冷静に傍観している自分を発見したりもして、なんとも不思議な気持ちになる。
うまく言い表せないのだが、その不思議感覚が妙に好きだったりするのだ。
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そう言う事ならと、来た道を引き返して大きなプールにニンフを沈める。
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次回は、このルート上にある最大の壷を探る。
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テーマ:フライフィッシング - ジャンル:趣味・実用

  1. 2013/02/27(水) 13:10:19|
  2. Fly fishing
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  4. | コメント:2

Art / School of Salmon

予期せぬ事、不意に訪れるものほど心を動される。

カワサキの企画でZフェアが開催されていた。バイクを所有はしているものの、月に一度のエンジン始動では、もはやペーパーライダーと、デカデカとナンバープレートに刻まれなければならない程のご無沙汰である。
そんな僕が腕を組みながら分かったような顔して、ひとしきり歴代Zを堪能した後、会場の別の間に入っていきなり目に飛び込んで来たアート。
なんで関係の無い物がここにあるのだろうと訝りながらも、突然のサケアート出現に思わず釘付けとなった。

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9枚程のガラス板から構成されており、5尾の鮭が作者の意図したレイヤーにエッチング処理でレイアウトされている。
素材の透明感、多層による色の深みと奥行き感があり、作品の解説にもあるとおり、
見る角度により各々の鮭の位置関係やシルエットが異なって現れる。
光が重要な作品であるはずだと思うが、展示には一般展示に使用されるような幾つかのトップライトのみの単調な光源で、もう少し工夫しなければこの作品が可哀想である。
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作品名は鮭の群れ/School of Salmon。
神戸港に寄与された作品。
神戸港とシアトル港は姉妹港で、その25周年記念として1992年に送られたとある。
この会場、実は神戸海洋博物館であり、今回のZフェアはカワサキが博物館の一部をカワサキワールドとして使用しているのだった。船の模型や船舶関連の展示がやたらに多く、僕はてっきりカワサキだから造船関係の展示もしているんだと勝手に思い込んでいた。
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気になるのが作者のスタン・プライス氏。
早速検索してみると、それらしき人物に行き着いた。
しかし、そのウェブサイトからはこの作品が出てこないため定かではない。
興味ある方はこちら→Stan Price
ガラス工芸作家として活動し、氏の工房(Covenant Art Glass)ではガラスアートのクラスもあるみたいだ。
魚を題材にした作品が多く、中には魚とルアーが描かれている作品もあるので、釣り人でもあると思われる。
釣り人の僕としては、是非、我が家にも飾りたいなぁと思わされる作品が多数。
salmon4.jpg

もう一度、この展示を見に行ってみたい。
やはり照明と背景の映り込みが気になってしょうがいない。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

  1. 2013/02/20(水) 12:00:02|
  2. Fishing stuff
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SKY

Author:SKY
やっぱり山がいい。

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