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神戸の谷/石楠花谷→地獄谷西尾根

移り住んだ先には多くの谷があった。
まだ東京に居た頃、グーグルマップを眺めては、沢沿いを目で追いながら
数ある谷を想像して楽しんだ。

さて、本日はそれを実際にこの目で確かめる第一歩となる。
新入りの相棒と共に。
そして僕もまたルーキー。
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今回のルートは兵庫登山会のコースマップより、
現在地から右方、石楠花谷(シャクナゲタニ)の中級コースを
経由して谷を遡行し、ダイヤモンドポイントで折り返す。
復路は石楠花谷は通らず直進し、地獄谷西尾根へ入って
710Mの水晶山を経て下山。
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11:10 石楠花谷入り口であるテニスコートを脇に入った小川を徒渉してコースへ入る。
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しっかりと踏み痕の残る道を辿り、頭上には阪神高速神戸線の高架。
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ジムニーで走った故郷の山の様な光景。
爽やかな晩秋の青空がトレイルを明るく映し出す。
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緩やかな道を、森の匂いを満喫しながら落ち葉を踏みしめてゆく。
これほどの広さならジムニーは通れるが、入り口を考えると無理だろう。
他に道がなければ車は通らないはずだ。
この先、いくつもの倒木が道をまたいでいたが、そのいずれも2本のタイヤが乗り越えた痕は無かった。
オフロードバイクやマウンテンバイクならここまで入って来れるが、この先がどうなっているかは分からない。
林道好きとしては好みのトラックである。
ただ、この界隈のコースはれっきとしたハイキングコースらしく、たとえマウンテンバイクであっても
ハイカーとバイカーの棲み分けは難しく、各所でトラブルった事例も多い事からここでも同様と思われるが
どうだろうか。
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しばらく進むと、「釜滝」のサインを発見。
11:20 沢へ降りて釜滝まで。
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今まで関西に縁の無かった僕の知識で、こちらの山と言えば六甲山だが、ここら一帯も六甲山系であるらしく
その大部分は花崗岩であるとのこと。
滝の直ぐ下流には砂防ダムがある。
踏みしめる大地は、肌色の細かく粉砕された砂が各所に確認出来る。

釜滝を後にし、トレイルへ戻ると大きな分岐。
これを右へと進む。
赤テープの印で間違う事は無い。
左は沢へと向かうのだろう。
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落ち葉の堆積したフカフカの道を進む。
こんな道は体に優しく快適。
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所々で徒渉を繰り返し、魚影は無いかと確認しながら先へと進む。
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ここまで道に迷うことは無い。
親切にも、頻繁に赤テープや印が多くあるので常にそれを確認しさえすれば迷わないはずだ。
しかし、ここでコースから外れてしまった。
下の写真は分岐の一方を確認もせず進み、途中で気づいた時の一枚。
ちなみにこの写真に写ってる分岐はコースを外れてからの分岐である。
狭い急な谷には大きな岩がゴロゴロしている。
太ももの筋肉を働かせて岩を越えていき、次第に急登になる。
途中で気づいた。
ここがコースルートのはずが無い。
しかし、この狭い谷を抜けた先がどうなっているのか興味が先攻した。
行ってみれば、かなりの斜面で、這って登る体勢となる。
きっとこのまま行けば、尾根に出てショートカットになるのかもしれないが
初めての場所で単独という事もあり分岐までもどる。
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12:36 正解はこちら。
分岐の遠くから小滝が見え、ここを越えるはずが無いと勝手に思い込んでいたのだった。
近くまで来て虎ロープが垂れ下がっているのを見て確信した。
ロープを頼らなくても、着実に足下を確認しながら登れば行ける範囲である。
それに、ロープの根元がどうなっているかもわからないので、慎重に足を掛けて登る。
11162012_11.jpg

上から見るとこのような落差であるが、滑って落ちれば間違いなく怪我する高さであるので注意が必要だ。
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12:54 復路に予定している地獄谷西尾根とぶつかる。
ここから、非常に気になる、大層な名前の付いたダイヤモンドポイントへ向かう。
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13:00 そのダイヤモンドポイント到着。
ダイヤモンドポイントと書かれた杭と、案内図以外に何もない。
ここからの眺望。
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数分滞在した後、先ほどの石楠花谷と地獄谷西尾根のぶつかりまで戻り、そのまま西尾根を歩く。
尾根の途中、コース案内にあった水晶山を通過したはずで、それらしき場所で印を捜したが見つけられず。
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尾根を足早に一気に下る。
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向こうに見えるのは東尾根だろうか。
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いよいよ下り終えると、地獄谷道と合流する。

13:52 下山
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砂防ダムの多さが非常に気になる谷ではあったが、途中いくつかの枝道も発見し、
今後開拓してみたい場所である。
ドングリが印象的な谷であった。
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テーマ:山登り - ジャンル:趣味・実用

  1. 2012/11/26(月) 16:18:24|
  2. Outdoor
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母なる山へ

ずっと見続けてきた山脈。
小学校の校舎4階の教室からは、諏訪湖のきらめきの向こうに八ヶ岳が見えた。
冬の景色が大好きだった。
頬を刺す様な澄んだ冷気の向こうには、真っ白い雪化粧の八ヶ岳、そこから少し右へ目をやると
蒼白く浮かぶ富士山が見えたのを今でも思い出す。
最高の眺めだった。

東京を離れ、関西へ移る前になんとしても登っておきたかった。
時を同じくして東京を離れる親友とその頂きを目指した。

八ヶ岳を目指すのは今回が2度目。
前回は、諏訪盆地で育った者なら誰もが経験する中学の登山。
登山の数ヶ月前から、通学時には学校指定のキスリング型ザックに、ありったけの辞書やら鉄アレイなんかを詰め込んで通ったのを思い出す。
目指した赤岳は濃霧に包まれ、僕のクラスは一歩手前で断念したが、希望者のみ登らせるという事で、他の何クラスかは赤岳頂きにたどり着いたのではなかったか。

10月22日 AM7:00 朝日を背負った八ヶ岳。一路、登山口へと車を走らせる。
どんなに僕の心がざわついていても、この姿をみるとピタリと穏やかさを取り戻すから不思議だ。
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グンと標高を上げながら登山口への林道を駆け上る。
昨夜に横着してガスを入れなかった為、給油ランプ点灯にハラハラしながらも、色づき始めた山の木々に気分は一気に高揚する。
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AM7:30 登山口。
今回のルートは、往路:桜平→夏沢鉱泉→オーレン小屋→赤岩の頭の分岐を経て硫黄岳→横岳
復路:硫黄岳から夏沢峠経由で桜平まで、14:30下山予定。
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夏沢鉱泉まで、永遠と続くかと思われる結構な勾配の砂利の林道をひたすら上がる。
その脇には水が流れる。
観察しながら、良さそうなポイントを発見し目を凝らしてみる。
試しに石を投げ入れたが、影は走らず。
硫黄の水に魚は住まないんだっけ?
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湖から始まった僕の釣りは、河から渓流、そして更に上へと、そのフィールドを山奥へ求めるようになっていた。
魚を釣るという行為以外に、山のもっと先を知りたいと思い始めていた。

初っぱなからバテた、変化に乏しく、長い砂利坂を抜け、夏沢鉱泉で登山計画書を記入。
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当初の登山予定日が雨マークだったため、一日前倒ししたが、素晴らしい秋晴れで大正解。
山の神に感謝、感謝。
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夏沢鉱泉をスタートする。
脇を通る長いパイプは夏沢鉱泉で起こす水力発電の為に、上流からも水を引いているのだと思われるが、実際はどうなのだろうか。
視界の開けない木々の間を歩き、次の通過点であるオーレン小屋を目指す。
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オーレン小屋に到着。
ここで小休止。
ザックを下ろし、シリアルバーをかじりながら汗で濡れた背中を乾かす。
往路は夏沢峠を通らず、峰の松目方面へ。
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ここを過ぎてすぐの、だけかんばキャンプ場にはモンベルの山岳テントが一張り。
朝日を浴びた眩しいオレンジにうっすらと霜が降りていた。
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道幅は狭まる。
少し息を上げながらシングルトラックを登っていく。
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赤岩の頭分岐点。
朽ちた木々には苔が蒸し、まだ森の匂いが感じられる。
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たすきに掛けたボーイスカウトで使用していた水筒の水を飲んで天を仰ぐ。
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徐々に視界が開け始める。
これが見えるのと見えないのでは大違い。
一気に活力が増す。
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この斜面で一気に高度を上げる。
シヒィーと僕の肺がフルに稼働する。
息が上がる。
腿の筋肉は収縮を繰り返し、次第に悲鳴を上げだす。
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ここで小休止。
振り返って腰を下ろし、無風の全く音の無い世界に、ドクンドクンと全身が心臓になった様な僕の音が、内で静かにこだまする。
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尾根に出た。
視界は一気に開けた。
眼前には、目指す横岳と右には主峰の赤岳。
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ここから左手に次の通過点の硫黄岳。
一つ目の頂きを目指す。
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硫黄岳頂上へ向かう途中のガレ場から。
険しさを増す山々が美しい。
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だだっ広い、硫黄岳頂上。
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爆裂した硫黄岩が確認出来る。
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硫黄岳からトラバースし横岳へと向かう。
向こうに見える山のグラデーションが美しい。
歩き難い下りを、浮き石に気をつけながらひたすら下る。
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写真右端の硫黄山荘で昼休憩の後、後ろを振り返る。
こちら側から見ると、硫黄岳は穏やかな表情。
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さて、ここで現れたいくつも立ち並ぶ杭の群れ。
立て札に記されているとおり、この杭はシカの防護柵の支柱なのだ。
僕はこれを見て驚愕した。
日本全国で鹿やイノシシの爆発的な増加により各地で被害が出ている。
尾瀬などの希少な湿地帯の植物や、この辺りでは車山のニッコウキスゲなどがシカの食害に遭っていると聞いていたが、これほどの高地までにシカは現れるのか。
2,700メートルを超える場所まで餌を求めてやってくるのだ。
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ずらりと続く防護柵。
ここまで上げるのに、人力かヘリかは知らないが、いずれにしてもかなりの労力と金が掛かっている。
しかも、柵を作るには限界があり、すべてをカバー出来る訳では無い。
出来る限りの自然風景を維持するためにも柵はよろしく無い。
こんな素晴らしい景色がこんなもので邪魔されていたら、誰だってガッカリでしょ?
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これは本当にオオカミの出番である。
オオカミに関して、僕の以前の記事はココからどうぞ。

設置が平成22年。
シカが目撃され始めたのはもっと以前からという事になる。
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ジリジリと標高を上げ、横岳の頂きが近づくにつれ、斜面は険しさを増してゆく。
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年配の男性が一人、岩に腰を下ろし握り飯を頬張っているのが見えた。
なるほど、この景色を前に飯を食うのは、さぞ格別だろう。
蒼く浮かぶ富士と横岳。
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あの頂辺まで行くのだ。
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横岳頂上まであと少しの、最後の急な岩場より。
写真中央上には、少し見づらいが諏訪湖、その更に右奥は3,000メートル級が連なる北アルプス。
ここから見ても、その険しさが見て取れる。
僕はここから見る、初めての諏訪湖に感動した。
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本日の最終目的地、横岳頂上到達。
親友と共に記念撮影。

最高の眺めを前にしばし時を忘れる。
やり残した事はやはりこれだったのだと確信した瞬間でもあった。
心の中でなにか一つ吹っ切れた。
来て良かった。
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復路は硫黄岳まで戻り、そこから往路とは別の夏沢峠を下った。

14:30、予定通り無事下山。
真っ赤に燃える紅葉が山登りの最後を祝福してくれた。
10222012_32.jpg

素晴らしい最高の一日、大自然と山の神、親友に感謝。

テーマ:山登り - ジャンル:趣味・実用

  1. 2012/11/10(土) 23:34:41|
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