友人と2週間前から話を詰めて、自分の持ち物をメモ帳にリストアップする。
毎晩少しずつ、道具をバッグに詰めてはボールペンでチェックをしていく。
そして遂にこの日を迎えた。残り1週間のなんと長かったことか。
僕らの、「Fishing & Camping」が始まる。

前情報で、現地はかなりの減水と聞いており、その後の2週間でどれほど水が残っているだろうか。
2台の車が草の生い茂った坂道を下り、見えて来た光景に唖然とした。
取り敢えず皆で下まで下りてみる。
ここはもう既に僕らの見慣れた場所では無くなっている。
この異様な光景にしばし複雑な気持ちで眺める。

満水ではもちろん、木が生えているところまでである。
そこから1~3メートルの水の上下は記憶している。
枯れ果てたこの大きなダム湖の底を見る事があるなんて思いもよらなかった。
更に下ってみる。

枯れた湖面の中央には僅かな水が流れている。
その流れ周辺には立ち枯れた木がいくつも、ヒョロリと立っている。
残暑の青空と周りの緑のなかで、そこだけが黒い影となって見える。
なんとも寂しい光景だ。
この流れの筋が、水没以前に流れていた渓流だろうか。
かつての流れは、さぞ美しかっただろうと想像して見るも
眼前とのギャップで僕のイメージも直ぐにかき消されてしまうのだった。
義父は幼少の頃、ダムが出来る前に、この集落に住んでいたらしい。
当時のことを知りたくて色々と聞いてみたのだが、当人も記憶が無いほど
幼かったので、期待する答えは得られなかった。
後を振り返ると、ここが現在、水のあるダムの端だということになる。
僅かな流れが湖底の泥を削りながら流れ込み、水は極濁りである。

この不思議な光景を見ながら、未だ慣れず。
一先ず設営をし、ことあるごとに「それにしても、スゲーな、コレ!」と皆が口にする。

今夜の焚き火はテント前に。
この先はガクンと落ちている。魚の付く駆け上がりである。
高台からの見晴らし最高の場所だが、ここも本来なら水没する場所だ。

誰もいない、完全なプライベート空間。
炎天下のもと、ビールを次々にあおりながら、昼飯としたトマトソースのペンネを食う。
日はまだ高い。
早く夕暮れが来て欲しい反面、この貴重な一日がより長く続いて欲しくもある。

釣り的には、かなり厳しい状況ではあるが、せっかく来たんだし、と言う事でタックルを持って
湖面まで下りる。
最近に水が引いたばかりの場所はぬかるみ、ウェーダーの膝下まで埋まりながら、ゼェゼェ言って
辿り着く。
僕は少しでもフライラインが出せるようにと、初めてダブルホールを試みる。
夢中になってふと気がつくと足が泥に沈み、引き抜くのに大変なことになる。
友人達はルアーで浮いている空き缶に当てるゲームを始める。
僕だって、魚の事なんか全く考えず、ただひたすらラインが出せるようにとキャスティング練習。

夕闇迫って、火を入れる。
山が黒くなる。
風は穏やかで、天気の荒れる心配も無さそうだ。

友人達が夕方前から準備していたスモークは最高の出来映え。
チーズにソーセージにベーコンにと、更に酒がすすむ。
闇が完全に周りを包み、ふと見上げると頭がクラクラとする様な星空。
ここ最近のキャンプでも最高の夜空である。
何度か撮影を試みるが、バックモニターではよく分からない。
後でデータをいじって、コレが限界。
これじゃあ、まったく伝わらないなぁ。

23時の時報までは確認したが、僕は火の前でうつらうつらと船を漕ぐ。

これが一度撮ってみたかった。

熊除けにとラジオは付けっぱなしで就寝。
翌朝、薄らと靄が煙る。
朝飯はガーリックトーストに、ソーセージに目玉焼き。
朝から肉を焼いて食べる友人を見て、良く食えるなぁと。

朝食後、一通りフライで探っては見たものの、反応は無く。
本日も炎天の下、荷物をまとめた。

忘れられない、素晴らしい時間を共有してくれた仲間に感謝。
減水のおかげで、この場所に設営し一夜を明かす事が出来た。
貴重な体験だった。
今見えている大地は、ダムが出来る以前のかつての層だ。
人々が生活していた層が現れた場所で僕らは野営をした。
多くの人が暮らしていくうえで、必要な物はある。
はたして本当に必要なものとはなんだろうか。
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
- 2012/09/18(火) 18:18:37|
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家族で釣りに出かけた。
前回、長男人生初の釣果をあげた
釣り場は、適度な規模で、整備され過ぎる事無く野池のような雰囲気。
僕が好きな類いの釣り場である。
そしてこの釣り場、人がほとんど来ないのだ。
前回も数人程度で、今回は一人のみだったから、きっとこんな感じの場所なのだと思う。
子供達が走り回って、迷惑をかけることが無いし、釣り人の釣り針に釣られてしまうことも無い。
岸と水の落差はほぼ無いため、間違って次男が落ちてもケガをする心配がない。
長男は虫獲りが好きだから、魚釣りに飽きたら一人で虫獲りに没頭することだろう。
前回よりも緑が濃くなり、草は背丈を伸ばして、すっかりと夏の様相の池となっていた。
この景色を前に、時折、カッコウの鳴き声を聞きながら3時間程楽しんだ。

前回、僕はルアーで空振りし、餌では入れ食いとまではいかなくても、飽きない程度に楽しめたので
今回もと、長男はやる気を出したが渋い。

僕はフライでの初釣果を地元で果たしたので、今回はフライで挑戦。
使用するフライは、以前に
いわなたろうさんのアジトにお邪魔した際に、
チュンさんに巻いて頂いたもの。
これがなかなか釣れるんだ、との言葉を思い出した。

目立つ蛍光黄色のフライはゆっくりと沈んでいく。
沈みきる前に左右から魚が反応を示す。
おおっ!これはいい感じだ。
数投目でヒットするも、バラし。その後もまたバラし。
水深はあまり無いが、それでも底付近のフライをくわえる魚を目視でかけるのはなかなか難しい。
偏光レンズの奥から瞬きする事無く蛍光色の動きを追う。
その蛍光色が少しでも消えたりしたら合わせることにした。
この方法で数釣りを楽しめた。
釣れるのは、今回は岩魚ばかり。
カミさんも餌釣りで2尾かけたが、そちらも岩魚だった。

本日の最大サイズは、良く引いた。
止水で走り回る魚によるロッドの反応が分かったのも収穫だった。

良く釣れるので、私も、とカミさんもフライロッドを振る。

子供達と小枝を集める遊びをしながら、様子を見ていると、ロッドを振る度に後の草に引っ掛かっている。
良く釣れたフライも紛失した様子。
ラインをある程度出してから手渡してあげようと、僕が初めて巻いた不細工なフライを結ぶ。
前回のバス釣り用にと、遠投してもボートから見えるようにと巻いたものだ。
一応CDCカディスの巻き方を見ながら巻いたのだが、これでは別物。

コイツを結んでから、こうやってあまり後にロッドを倒すんではなく、って、僕もよく分かっていないながらも
カミさんに教えながらフライは沖へとゆっくり着水した。
直後、バシャッと魚が出て反射で合わせた。のった!
最高に爽快だった。
熱いぜ、フライフィッシング!
横にいる不満げなカミさんの表情を見ないように、こうやってやるんだ、とロッドを手渡した。
テーマ:フィッシング - ジャンル:趣味・実用
- 2012/06/26(火) 12:36:54|
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釣りにハマって以来、過去に4尾のバスを掛けたことがあるが、
そのうちの3尾はトラウト狙いでたまたま掛かったもの。
残りの1尾は四国のダム湖で、バスを釣るという目的での釣果であった。
そんな訳で僕はバスに関する知識がほとんどなく、いわゆる、それ用と呼ばれる
タックルも所有していない。
しかし、バスのパワフルな引きの刺激に興味が出始めていた。
子供達が通う保育園では、子を通じて色んな親と会う機会がある。
メインはカミさんで、ママ友というやつだ。
もちろん僕よりもママ友のつながりが深いため、お互いに子供のことや
仕事、家庭の話をすることになる。
あるとき、誰だれ君のお父さんは釣りをするらしいよ、とカミさんから聞いた。
バス釣りだと言う。
それから程なくしてその家族のお宅にお呼ばれすることになり、以前からカミさん伝いで
聞いていたバス釣りの話を聞いた。
いつも通う湖にボートを持っており、そこに持ち込むタックルは10セットだと言う。
僕はそれを聞いて嬉しくなった。
ボートがあるとか、10セットだとかと言うことではなく、バス釣りの分野でも情熱を
持った人と知り合えたのである。
それから時間を経て、一緒に行きましょうとお誘いを頂き、もちろん是非お願いしますということで。
4時に迎えに来て頂き、約一時間程で釣り場へ到着。
車は大きなゲートの前で停車し、彼がゲートを開ける。
ゆっくりとゲートを通過し、建物の間の細い道を抜ける。
目に飛び込んできたものは、ズラーっと並んだ幌をかぶったバスボートの数々。

鳥肌たって、カーッと胸が熱くなった。
こんな世界があるんだと、ショックを受けながら意味も無く頷く。
もちろんその時の顔はニヤケっぱなしだ。
早速、準備に取りかかる。
と言っても、僕はただ見ているだけなのだが、1つ1つが僕にとって新鮮で興味深い。

幌を外す。
おおーっ!これがバスボートってやつだ。

これが話に聞いていたタックルの数々。
もちろんこの中に僕のは含まれていない。

トレーラーを接続する。

ここに乗っていて下さい、と僕はボートに乗ったまま近くの湖へと下りるスロープまで。
時間は6時前。空は明るくなり、少し肌寒い。

トレーラーからボートを下ろす。
押して下ろすのかと思ったら、ボート後部のエンジンスクリューをバックギヤに入れて
その力で少しずつ下りていくのだった。
1つ1つに感動してしまう。

バスボートのコクピット。
レーシーなステアリング周りに計器が並ぶ。
計器中央のデジタル表示はタコメーターだろうか。
右上のモニターはソナーであり、これは船体後を計るもの。
船体前にもモニターが一台あり、それは前を計るものであるという。
この二つのモニターを見ながら、湖底の地形を把握してバスの付き場を探っていく。

スロープ付近の岸を一通り様子見したのち、大きく移動します、と
船上のタックルを固定し、荷物をキレイに片付ける。
キャップを脱いで下さいと言う。
さぁ、と後部のエンジンが唸り始めると、船体は大きく後傾したのち
スピードが増していゆくと共に、先端が下がる。
息継ぎすることなく加速し続ける。
もの凄い風圧で身体がシートに押しつけられ、掛けたレイバンの上から下から
風が目に入り込み涙で前がかすむ。
バンバンバンッ!と断続的に船底が波間を飛んでいく。
脳天まで痺れる様な加速力である。
バスボートは優雅な乗り物じゃないですよと言っていた言葉を思い出す。

モニターが示す速度は100キロを少し超えていたが
水面ギリギリをかっ飛ぶバスボートの体感スピードは
遥かにそれを上回る。
このだだっ広いフィールドで、その日の風や水などを判断して
大きくポイントを移動するには、この機動力が必要なのかもと
思ってみたりもしたが、ただただ単純にかっ飛ばしたいという
欲望を満たすのにもうってつけ、なのは明白である。
モニターには地点登録ができるらしい。
映し出された赤い線は、彼のポイント間を繋ぐ線であった。
今日はどうやら渋いみたいだ。
エレキで少しずつ移動しながら探っていくも、これといった反応は得られない。
湖から橋をくぐり川へ移動。
僕はフライに切り替え、岸のボサ手前にポッパーを撃っていく。
2度程、魚が出たが掛けることができなかった。
すると、よーっし、と彼のロッドが絞り込まれ、ラインの先を見ると
バスが水面下で身を翻す。やっと本日一番かと思った瞬間、痛恨のバラシ。
昼飯もそこそこに、ポイントを大きく移動しながら、今日の一尾を探していく。
バスボートでの"かっとび"も既に心地よく、快感に変わっている。
それはにスポーツタイプのサングラスが必ず必須であることを付け加えておく。
僕はもう1つ予備にと持参したオークリーがあって助かった。
そうこんな感じで丁度良いくらいだ。

フライの遠投や風吹く中でのキャストも次第に慣れてくる。
比較的大きなボートと言っても、風が吹くと隣を釣りかねない。
それを回避する為に、ロッドでラインを引き上げながら、ライン全てを空中に
出さずにキャストする(ロールキャストと言うのか?)ことも出来るようになった。
それが意外と狙った場所に落ちてくれるので、それに満足したりして。
夕暮れが迫る。
ある区間を何度か往復で流していく。
フライキャストに夢中になっていると、隣のロッドが曲がった。
キタっ!
水面下でバスだと判断出来た。
今日初の一尾目、流石である。

遂にハッピーアワーが来たぞと、僕はロッドを持ち替えて
2本のダンシングフックをつけたローリング系のスプーンを
根が掛かり覚悟でストラクチャー周りを攻める。
沈めて軽くしゃくりながら、ストラクチャーを抜けた辺りで
ティップが入った。
よっしゃ、乗った!
重い引きに更にティップが入る。
どうだ?バスか?
一瞬魚体がちらりと見える。
あれ?なんだか様子が、、、
一瞬のみ姿を見せた魚は体勢を立て直し水中へと突進する。
ジジーっとラインが出て行く。
心地よい格闘の末上がったのは、ぎろりとこちらを睨む鯉だった。
本命では無かったが、実に良いファイトであった。

そろそろタイムアップ。
一尾を求めて飛び回った湖に日が暮れる。
ボートはゆっくりとスロープへ戻る。
同じ釣りでもこんな世界があるのだ。
僕の釣りがまた少し開けた気がする。
本日の衝撃的な始まりからを、心地良い疲労のなかゆっくりと反芻していた。

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素晴らしく貴重な体験をさせて頂き、ありがとうございました。
テーマ:フィッシング - ジャンル:趣味・実用
- 2012/06/03(日) 14:32:33|
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夕食時にカミさんの口から、明日お父さんは釣りに行くから、
と言う言葉に長男がすかさず反応した。 僕も釣り行く!
1年振りに山梨の渓流へ行く予定を立てていた。
去年の今時期、釣り歩いたルートを頭の中で思い出しながら
帰宅途中、iPhoneのsiriさんに明日の日の出時刻を教えてもらい
タイマーを3時にセットしていた。
しばし考える。
お互いハッピーな着地点はどこか?
まさか、長男をおぶって川を渡る訳にはいかず、かといって
彼の気持ちも無下にできない。
結論。
才能の芽を摘んではならない。
そんな訳で、家族全員で忍野の管理釣り場へと向かった。
目的地に到着。
通りから少し奥まった、静かな場所だ。
予想外に釣り客は少ない。
子供達用にと餌釣り竿をレンタルした。
早速、長男に餌釣りをさせる。
その横で僕はルアーを放る。

ルアーにちらほらと反応はあるもののヒットには至らず、餌にはピクリとも来ない。
少しずつリールに慣れさせるの画。

暫くの後、池を移動。
こちらは先程の池と一転して、今まで行った管理釣り場の中ではなかなかの景観。
木々が池を囲み、少し古びたコテージが数棟隣接している。

こちらでは餌に良い反応が。
カミさんが一匹目をかけて抜き上げる。
草むらで跳ねるニジマスに子供達は大興奮。
そして今度は長男自力で人生初の1尾をあげる。

小さな手で掴んでは逃げられを繰り返し
魚も可哀想なくらいであったが、ここまで
喜んでくれるのなら、来て良かった。

一方、僕のルアーには反応が無く
ちょっとだけ貸して、と息子の竿を取り上げ
大人げなく、餌釣りに夢中になる。
浮きの沈みと掛けるタイミングに手こずったが
今日の初釣果(笑)

その後、時間終了まで交替しながら、飽きない程度に釣り上げた。
僕が最初に釣りをしたのは何歳の時に何処で何を釣ったのだろう。
鮮明な記憶としては、近所のドブ臭い川でフナ釣りだった。
グルテンファイブと言う名の練り餌だった。
釣り道具の箱を開ける度に、その練り餌の甘ったるい匂いがした。
フナ釣りに飽きるとサンダルのまま川に入ってザリガニ獲りもした。
川からあがると、数匹のヒルがふくらはぎに貼り付いていた。
友達の親が必ず一人はついていてくれた。
そんなことを毎日していたように思う。
僕らの子供時代と今の子供達。
同じ尺度では計れないし、計ろうとすること自体無意味な事かもしれないが
少しでも多く自分が体験してきた事をさせてあげたいと感じる。
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長男の初釣果データ
2012/4/21(土) 曇り 午後4時頃
練り餌で20センチほどのヤマメ?(ニジマスとヤマメのハイブリットか?)
場所:忍野フィッシングエリア
テーマ:フィッシング - ジャンル:趣味・実用
- 2012/04/23(月) 18:18:55|
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あれほどまでに待ちこがれていた瞬間は突然にやってきた。
なにしろ1投目のことだったのだから。
友人の度重なる釣行で得た経験、知識、そして数々の実績から
アドバイスを受けた場所に立ち、的確なポイントへルアーを放り
教えられたカウントをとってリトリーブすること約25回転。
繋いだ14gの肉厚のスプーンはグンッと泳ぎを遮られ、半信半疑でアワセを入れた。
7.7fのTSSに6lbのナイロンライン、やや強めのドラグ設定。
タックルの持つパワーの余力を残しながらリトリーブを続ける。
隣にいた友人の、掛かった!の声を聞きながらも僕は未だ確信できないでいた。
5メートル程先、まだ光量の少ない水面下にギラギラと白く輝く魚体が確認出来た。
身体全体が心臓になったようだった。初めて鱒を釣った時の様に、
ただがむしゃらにラインを巻き取っていた。
ただただ、バレるな、これを逃したら、、、と。
焦ってラインを巻き取り過ぎ、ロッドティップからの僅かなラインという状況で
魚は目前で何度も暴れた。
その度にビンビンとした、もうこれ以上ショックを吸収出来ない
ラインの状況が手元に伝わってくる。
背面ポケットに仕舞ってあるネットを出す余裕も無く友人のを手渡してもらう。
無事にネットに収まってくれた。
本当に美しい銀色だった。

友人に振り返り、共に笑顔で握手を交わした。
メジャーテープを当ててもらうと36センチ。
僅かな朱点を確認した友人がサツキマスと言っていた。
僕には詳細に魚体を確認する余裕が無かった。

しっかりと目に納めている様で、心はすでに別のところにあった。
2日前の口論、見上げた電球のフィラメント、テーブルの深い茶の木目、しゃがむ度に見るクロスの破れ、
内気圧による重い扉、騒音、エンジンの唸り、右肩の痛み、漠然とした不安、わがまま、後悔、希望、
空気の匂い、友人、水色、家族、つながり、土地、決心、勇気、愛情、、、
2年前から通い始めたこのフィールドに、来シーズン以降、もう立つ事はないと思う。
きっと、友人と共にするここでの釣行も今回が最後。
そんなラストを飾る結果をプレゼントしてくれた友人に心から感謝する。
通い慣れたここまでの長い道のり、景色、狭い道幅でのハンドル操作、路面の凹凸、ほんの些細な
物事全てが既に懐かしく、離れがたい想いで胸が一杯だった。
テーマ:ルアーフィッシング - ジャンル:趣味・実用
- 2012/03/22(木) 14:52:49|
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