久しぶりに記事を書こうと思い立った。
前回の投稿から1年ちょっとが経過している。
その間、相変わらず釣りには毎週のように出かけており、また、釣りを軸とした
山歩き、カヤック、キャンプと、自分らしい遊びの世界を少しずつ広げている。
僕個人の遊びに加えて、家族でのキャンプが増えた1年でもあった。
もともとシンプルなキャンプが好みだった僕が、次第に道具を揃えてゆき
コットやらテーブルやら、大きめのクーラーボックスなどなど
いつのまにか車の荷室満載で出かけるようになった。
道具の揃ったキャンプは快適であり、充実した気分にもなる。
車での移動だから積めるだけ積めばいい。
しかし、ここ数ヶ月で僕の気持ちに変化が訪れる。
自分の足で、自分が持てるだけの道具でキャンプがしたい。
部屋にある道具を精査し、本当に必要な物だけを残して金に換えた。
心がスッキリした。
ソロのテントをバックパックに押し込んで、子供達とともに
電車と歩きで野山を愉しむ最近だ。
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- 2015/10/21(水) 23:03:34|
- Camping
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マンションのエレベーターギリギリに収まったカヤックを車のルーフへと上げる。
キャリアへの固定と、前後にロープをタイダウンした。
車に旅道具を積載している姿を見るのは最高に気分が高揚するものだ。
僕は数年程前まで首都高の渋滞を抜けてその先、中央道や他のルートへと散り散りに
なって行く旅姿の車を後ろから眺めていた。
快適に高速を飛ばしていると、前方にカヤックを積んだ車が見えてきた。
追い越し車線に入りアクセルを踏む。
一瞬並走して、反射する窓ガラスの奥を確認して挨拶し、またアクセルを踏んだ。
先ほど追い越した今回の旅仲間、bassbum氏と共に目的地に下り立つ。
二人してその素晴らしい環境に開口一番、最高と。


小さなパドルが、この広大な水のわずかな一塊をかき回す。
ひと掻き、ふた掻き。
次第に船底にあたる水の振動が消え、沖へと静かに滑り出した。

所々で伸び伸びとラインを引き出す。

風裏の静かで透明な湖面の奥を覗き込むと、身の縮む様な深さに魚の群れが通り過ぎる。

一つのインレットへと漕ぎ進み、上陸した。
嘗てはここから更に下る流れは、今ではこの場所で湖へと姿を変える。

人の手が入ったことにより容易にはたどり着けない秘境、らしき場所。

ベースキャンプが見えてくると、ポツンとそこだけ人間味が感じられて、少しだけ温かさがあった。

焚き火はいつでも最高であるが、これまた上質なひと時。

青い空と青い水。

僕は早々に気分が上がり、缶を開けるが、さすがは釣り師。

お愉しみは、ほんの束の間。

僕も、旅姿、の仲間入り。
テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
- 2014/08/11(月) 16:57:41|
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今回で3年目となる故郷の友との釣り野営。
23Lのパックにジッパーが壊れそうな程、物を詰め込み、更には山へ上がる直前に
酒を買い込んだ。
いざ出発と、車から降りて装備を背負い込むと歩き出す前からよろめきそうになる。

暑さと重さで何度も小休止をとったが、僕が早々に音を上げて、予定の幕場よりもかなり下でとどまる事となった。

この至福のひと時のために、こいつらを大汗かいて運んで来たのだ。

流れに沿って涼風が駆け上がってくる。
木の香り、土の香り、水の香り。

ウェットスタイルで釣り上がる。
冷たい山の流れが体温を下げていくにつれ、釣り熱はヒートアップする。

小学生の頃、父親に買ってもらったヘラ竿のバット側を一本抜いた竿で毛針を撃っていく。

倒木を避け、岩を乗り越える度に現れる流れの変化を楽しむ。

流れを下る重み。
グラスの竿がしなやかにそれを受け止める。



風が谷を下り始めた。
幕場へと戻り、薪を集めて火をともす。

火の粉が谷の暗闇へと舞い上がり、ふとその先を見上げるとネオングリーンに煌めく点滅。
しばらく暗闇に目が慣れるのを待って、頭上に広がる漆黒の空間に目を見開くと、一面に飛び交う蛍であった。

ハンモックの下を吹き抜ける風で、何度か肌寒さに起こされながら一夜が明けた。

山の緑は今日も目に眩しくて美しい。

日本の山国の正しい夏の過ごし方。
今夏もありがとう。
テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
- 2014/08/10(日) 14:52:37|
- Fly fishing
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車が通る音で目覚めた。
普段なら車の音なんかで起きることはない。
都会ならうっすらと空が白み始める頃から少しずつ交通量が多くなり
7、8時ともなると休日の朝をどこかへ出かける車の音で騒がしくなるが
僕の寝ている隣の小道は幹線道路から外れた道であり、それ以前に田舎であるから
車が通る音がうるさいなんて事はない。
ギュギュギュっと低速でタイヤが路面を踏みしめながら進む音。
懐かしい音で思わず目覚めたのだった。
僕の寝室にはカーテンが無い。
ここに入居した当初は、近いうちにカーテンを張ろうと考えながらも
幾晩か経つと、そんな気も失せた。
部屋の電気を消して布団に潜り込み、そこから窓越しに見える景色は最高であった。
特に月明かりのある晩には明るい夜空がくっきりと真っ黒な山の稜線を描き出し
その上に散らばる星の煌めきを、ぼんやりと眺めながら眠りに落ちる。
豊かさとはなんだろうか。
僕の求める豊かさはこういうことであったんだと、体験してみて初めてピンときた。
車の通る音で懐かしさを感じ、ワクワクしながら布団から這い出て窓の外を見ると
期待通りの景色が広がっていた。

この地に移って、今年で二度目の冬を迎えている。
去年の降雪は2、3日であったから、下手したら今日を逃すと後悔する頃になると思い
隣の部屋でぬくぬくと、まだ夢の中の家族に準備をしろと言った。
カミサン、長男はテコでも動かず。
甘い言葉をささやいて、やっとの事で一番幼い次男を連れ出す事に成功した。
そうと決まれば直ぐに着替えさせて、バナナをかじり家を出た。
家から数分のハイキング道へと足を踏み入れる。
足跡は無い。
どうやら僕らが一番乗りのようだ。
こんな日に歩かないなんてもったいないと、心の中で思いながらも
この景色を独り占め出来ることが更に冒険心を刺激した。

何度か歩いたこの道も雪が被れば別世界。

一面の銀世界は望めないが、この地では上出来である。

昼が近づいて日が射せば直ぐに消えてしまうだろうから
次男には急かさず、それでも足早に谷を歩いた。


雪のある自然の景色が好きだ。
地形がよくわかる。
普段なら気にも留めない、僅かな起伏も見て取る事ができる。

谷を歩いてはいるが、底ではない。
谷歩きの楽しさは水沿いだと思っている。
それは僕が釣り人であるからなのかもしれないが、
しかしここは、一年を通して水量の極めて少ないチョロチョロとした流れであり、
竿を出せないのが残念ではあるが、贅沢な望みだろうか。
それでも、と思い次男を抱きかかえながら下りてみた。
やはりチョロチョロである。
この上には、2つの大きな堰がある。
その存在に疑問を持つ。

この道は里山から始まる。
ある区間を抜けると多様な樹種の森から一転、杉山に変わる。
各所に炭焼きに使われた石組みの跡を見る事が出来る。
一昔前までは、里山が存在していた。
今では、びっしりと苔で覆われ、しかし、人が積み上げたその石組みは
おそらく今後何十年、風化しながらもその跡を残す事になるだろう。

振り返れば、僕の足跡と次男の小さな足跡。
折り返し地点で、僕らよりも早い時間に活動していたらしい、小さな蹄跡が残っていた。
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- 2014/01/26(日) 23:37:03|
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去年の今時期、谷を何度も歩いた。
新たな生活を始めた僕にとって、冒険心を刺激し、まだ先の見えなかった近い将来を
暗中模索しながら様々な気持が入り乱れる中歩いた谷である。
あれから一年が経ち、やっと家族と歩きたい気持ちになった。
谷へ足を踏み入れると冬の匂いがした。
あの時と同じ匂いにどこか懐かしさと安堵を覚えるとともに、こうして初めて家族と訪れると
別の景色に感じる。
歩を進めるごと、目に飛び込んでくる谷の風景は其々違うのだろうけれど、
他の誰よりも新鮮な感覚で歩く。
あの時の感情をそっと胸の奥に仕舞って、カサカサと鳴る冬の路を愉しんだ。

まだまだ幼い子供達がどこまで行けるのだろうかと何度か連れ出していたが、
長男は僕と共に谷を抜けることは容易いだろう。
次男はあと一年といったところか。
堰堤上の溜まりは結氷していた。
去年は水が多くてここには降りられず、急登攀して先に降りていたものだから、
もし今年も水があったのならばこの前で折り返していた。

冬の谷の美しさが好きだ。
無数の大きな生命感は一時その気配を潜めるが、おおいに感じることが出来る。
伸び伸びと枝葉を伸ばし、動き回る季節が来るまで。
死ぬものもあれば、耐えるものもある。
耐えるという表現は僕のフィルターを通しているからであり、実際は違うのかもしれない。

山肌からぶら下がる氷柱を発見した。
その氷柱は水の流れをわかり易くした自然の芸術である。
染み出た一滴が海へ注ぐ。
去年、そう感じ思ったことを子供達に伝えた。

水の流れは地形の変化と共にある。
子供達が大人になった時、ここの流れはどのように変わっているだろうか。


今年は付き場がかわったのだろうか。
去年に相手してくれたカワムツ達が姿を見せることは無かった。

普段と変わらない週末の時間を近くの谷で過ごす。
なんと贅沢なことだろう。
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- 2014/01/18(土) 01:04:27|
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